研究内容
研究内容
看護管理学分野では現在、次のような研究を行っています
1.看護職の専門性、専門職性に関する研究
「看護職は専門職である」という言説は、現代社会では当たり前のように語られています。
しかし、看護職は、本当に専門職としての地位や処遇を達成したのでしょうか。看護職自身は、現在の地位や処遇に満足しているのでしょうか。
看護職は、専門職としての自分に自信を持ち、その専門性を十分に発揮できているでしょうか。
本分野ではこのような疑問を解決すべく、看護職の専門性や専門職性に関して、様々な観点から研究を続けています。
これらの研究を通して、看護職がその専門性を発揮して質の高いケアを提供することができ、同時にその専門職性に見合った処遇を獲得し、生き生きと働き続けることを目指しています。
2.看護職の職業移動と心理社会的労働環境に関する研究
看護職がその能力と専門性を発揮し、質の高いケアを継続的に提供するためには、看護職が自身の労働環境に満足し、長期にわたって働き続けられることが重要です。
本分野では、看護職の職業移動(離職/退職、入職/復職など)に影響する心理社会的労働環境(例えば職業性ストレスなど)の解明を目的とした研究を行っています。
とりわけ、新型コロナウイルス感染症の流行拡大下においては、看護職の負担やストレスはかなり大きいと予測され、これらを可視化し少しでも早い解決につなげられるよう、全力で研究を実施しています。
これらの一連の研究を通して、看護職がそれぞれ個々の持つ力を十分に発揮して、生き生きと働き続けることのできる医療体制の実現を目指しています。
3.看護職に与えるジェンダーの影響に関する研究
現在、日本の看護職の93%は女性です。加えて、看護という仕事は近代以降、女性の職業として社会的に構築されてきた経緯があります。
看護職の社会的地位が十分に上がらない要因として、女性の職業として構築されてきた影響は大きいと推測されます。
このような歴史的社会的背景をふまえ本分野では、看護職の専門職化に与えるジェンダーの影響、看護職集団のなかで性別少数派である男性看護師に関わる諸問題などを探究しています。
これらの研究を通して、看護界の男女共同参画の実現と、看護職の社会的地位の向上の実現を目指しています。